会発足の経緯

 

1.初期の活動

 平塚市は神奈川県のほぼ中央、相模川右岸(西側)に位置し、相模湾沿いのリゾー ト地「湘南」地域の中心都市の一つとして、約26万人弱の市民が住んでいます。

 当会発足のきっかけは、2003年1月、神戸市にある「人と防災未来センター」が作成した阪神・淡路大震災の発生の瞬間の特撮映像を見て強い衝撃を受けたことでした。 映像を見た10人ほどは、それぞれの思いをもって活動を始めました。小学生をもつ母親たちは早速PTAを動かし、防災対策検討会を開催。学校にだけに任せておけないと、子供達と一緒に夏休みに通学路の点検を始めました。中学生をもつ母親たちも阪神・淡路大震災を体験した会員の体験談を聞くミニ集会を開くことを始めました。団塊の世代のサラリーマンたちは自宅の家具の固定を始めるとともに、身近な人たちに 耐震補強の必要性を訴え始めました。これらの別々に防災活動を始めた市民活動団体が連携するきっかけとなったのが「ひらつか市民活動センターの開設」及び「公益信託・ひらつか市民活動ファンド」の設置でした。 ひとつの団体のメンバーの「個別に応募するよりも、連携して応募した方が当選しやすいのでは?」という呼びかけからひらつか防災まちづくりの会が結成されたのです。「自分と自分の家族をどのように守っていくか?」この地震防災を考える上で最も大切 な視点でありながら、地域防災ではほとんど実践されていなかったことを会のテーマに打ち出しました。

 連携で始まった当会の活動が内閣府の対象モデルとして「平塚地区防災まちづくり」事業に指定されたことにより、自治会、NPO法人、福祉団体等との連携も生まれ、様々な活動が始まりました。

 ソフト面の普及活動として、ニュースレターの発行、防災講演会、防災出前講話、防災まち探検、ハード面では耐震診断や新補強工法の検討会実施で、耐震補強の推進にも力を注ぎました。さらに、会員の連携を深めることを目的として、毎年7月に開催される平塚七夕祭りに参加、2か月間の制作活動の結果、防災をテーマとした竹飾りをメイン通りに掲げました。また近隣の市町村の教育委員会の協力を得て平塚・大磯・茅ヶ崎の小学生から絵と読み札を募集、地域の200人余の方々に協力していただき、通常のおよそ2倍の大きさの20組の「防災かるた」を制作しました。このかるたは、今も機会あるごとに会のイベントで利用したり、地域や学校に貸し出して喜ばれています。

 

 2009年~2012年の4年間は平塚市との協働事業を展開しました。2009年度は平塚市との協働事業として地域の方にパネリストと防災活動をお話しいただく「防災フォーラム」を提案し、採択され、地域パネリスト選出を目的に平塚市全自治会を対象に防災アンケートを実施しました。アンケートの回収率は実に76%を超えるものでした。市民活動団体単独でのアンケートではせいぜい回収率20%程度しか期待できず、市民の行政への信用の高さを実感しました。アンケートの回答から先進的意欲的と思われる40自治会に電話アンケートを実施し、最終的に素晴らしい活動を行っている4地域に絞り込み、4名の方にパネリストとなって頂いて、2010年2月、平塚市初の住民参加型防災フォーラムを実施しました。(2010年度も同様に市民参加型防災フォーラムを実施)

2011年~2012年は「平塚市防災活動者育成研修初級中級」担当し、受講者が「地 域に帰って防災まち歩き・防災MAPづくりができるようになること」を目的に、研修を行いました。

 

2.今後の展開

 自治会の防災訓練にも協力要請があるたび、防災かるたを使ったゲーム、防災基礎知識を知ってもらうための防災関連セットを使った実験、防災寸劇などで協力していきます。

 防災講演会もしくは防災懇談会は毎年実施することにしています。2009年度2012年度に実施し課題解決に至る手立てが見い出せないまま休止していた集合住宅・マンション防災懇談会には、2016年度から装いも新たに再び取組を始めました。避難行動要支援者への取組は、講演会やワークショップなどできる範囲での協力を実施しています。

 自然災害の多発が予想される今後に、防災教育はとても大切だと考えています。これまで同様、幼稚園や小中高の生徒や先生方への防災授業やワークショップを今後も継続していくつもりです。

 

(原囿信夫著:「防災という絆づくり」/一般社団法人日本防火・防災協会発行「地域防災」2017年6月号所収)

 

 


2003年~2008年までの活動のまとめ

連絡先

Tel/Fax:(0463) 31 - 2161(代表:山田美智子)

E-mail:goten463star@gmail.com